天童市将棋資料館

〒994-0034
山形県天童市本町1-1-1
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古代から現代へ小さな駒の、偉大なる物語  〜Tendo Shogi Museum〜

TEL.023-653-1690 〒994-0034 山形県天童市本町1-1-1

展示室レポート

PICK UP 展示品
■泰将棋(たいしょうぎ)

インドから渡ってきたチャトランガが中国韓国あるいは海を越えて日本に渡ってきました。1058年の資料に日本の最古の将棋の記述をみることができます。変遷を経て16世紀後半に現在の将棋の形になったと言われています。現在の将棋の駒数は40枚 マス目は9×9です。この泰将棋は354枚、25マス×25マスです。
 玉将はなく、代わりに自在という強力な駒が採用されています。これを指したら何日 いや何か月、気が遠くなりそうな不思議な将棋です。1821年の文献に記載されていますが、実際に行われていたかどうかは不明です。展示品は天童の伝統工芸士 掬水氏がこれを再現したものです。伝統工芸士が作成した354枚の盛り上げ駒は一見の価値があります。日本で泰将棋の現物がみられるのはこの施設だけです。

■豊島龍山作盛り上げ駒

豊島 龍山(とよしま りゅうざん)初代龍山 豊島太郎吉(1862年-1940年)と2代龍山 豊島数次郎(1904年 - 1940年)親子の二人。駒字を改良し近代将棋駒の祖と言われています。東京都生まれの駒師で、初代の太郎吉は、東京・浅草で材木商を営んでいました。
 それまでの駒作りに加えて創意工夫を試み、遊び道具であった将棋の駒に芸術的味わいをもたらした功績は大きく、その後の将棋駒製作に大きな影響を与え、今日に至る高級駒の祖です。
 当館の展示品は、将棋三家の一つである大橋本家に伝わる後水尾天皇(1596年-1680年、徳川秀忠の娘が入内)の書を、豊島龍山が筆写した「錦旗」の書体、材質は黄楊の北限と言われる鳥海黄楊です。

 ■チャトランガ

将棋とチェスの起源といわれている古代インドのチャトランガ。チャトランガがどのように成立したかは諸説ありますが、将棋の起源はチャトランガで異論のないところです。これが西に伝わってチェス、東に伝わり将棋になったと言われています。インドから日本まで渡ってきた将棋の物語のはじまりの展示品です。駒は王、象、馬、車、歩兵の5種類だったと推測されています。現在ではチャトランガは5世紀ごろに二人制で遊ばれていたというのが定説です。しかし紀元前には、もうすでにインドやエジプトなどでは盤上ゲームが存在したようで、日本との文明の差も感じることができます。



NEW FACE 展示品
■禽(とり)将棋・・・2021.3
江戸時代 大橋作と言われるものに「禽とり将棋」があります。
このたび、これを再現しました。
読めない漢字もあり、漢字の勉強になります。
ちなみに令和元年駒を魚にした「お魚将棋」も作成されていて、この禽将棋を見つけた時は、江戸時代にも同じようなことを考えていたことにちょっとした感動を覚えました。
禽将棋(とり将棋)6種類32枚 
  1. 鵬(ほう おおとり)2枚
  2. 鶴(つる)4枚
  3. 雉(きじ)4枚
  4. 鶉(うずら)4枚
  5. 鷹(たか)2枚   鷹成るG(くまたか、しゅう)
  6. .燕(つばめ)16枚  燕成る鴈(かり、がん)

坂本ヨシ江氏 作 とり将棋
 ■石将棋・・・・2021.1
 叶前製作所様(白鷹町)より寄贈されました。石の将棋も味わいがあります。天童は、伝統的な将棋駒の産地ですが、このようにいろんな将棋が増えることで、より将棋が広がり盛り上がることを期待しています。 
 ■シャンチー・・・2020.11

日本シャンチー協会様よりシャンチー(中国将棋)の盤と駒が寄贈されました。寄贈されたのは、2008年ワールドマインドスポーツゲームズ(IMSA主催)で使用された由緒ある盤と駒です。この盤と駒は、館内の世界の将棋・チェスコーナーに展示されています。  

 ■イタリア・マロスティカ人間チェスポスター・・・2020.10

姉妹都市であるマロスティカで開催される人間チェスポスターおよび人間チェスTシャツを展示しています。マロスティカ市と天童市は、人間将棋と人間チェスが縁で結ばれた姉妹都市です。
 人間チェスは本来であれば西暦偶数年に開催されますが、コロナの影響により2020年は開催されず、2021年にむけたポスターを作成したようです。イタリアに住む天童出身者より寄贈いただきました。

 ■藤井総太八段サイン色紙展示・・・2020.9

2019年公式戦29連勝の新記録を打ち立てたときに、使われた駒が、伝統工芸士・村川邦次郎さん(秀峰・ 村山市)の駒でした。村川さんは、藤井四段(当時)の記録にまだまだ「強くなる」と話していました。これが縁で、藤井さんのサインが村川さんの元に届けられました。藤井さんの師匠である杉本昌隆八段(当時七段)が村川さんを直々に訪問してサインを届けています。当時、療養中であった村川さんのことを聞いて書いたサインで、村川さんは病床にこの色紙を置いていたといいます。
 当時四段 「強くなる」と書かれた色紙に藤井2冠の強い思いをみることができます。


雑記
2021.3ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 大河ドラマで一躍注目を浴びている渋沢栄一氏。たいへん将棋が強かったと記録にあります。福沢諭吉氏と将棋を指したという逸話も残っています。新旧一万円札対決ってところでしょうか。ご本人たちは将来お札の顔になろうとは思ってもなかったでしょう。
 経営者には先を読む力、人を動かす力(駒を動かす)が必須能力、渋沢翁が将棋が強いことに合点がいきますね。筆者自身は先を読むことがまったくできないと感じる日々です。
2021.2ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 将棋が舞台の小説 柚月裕子さんの「盤上の向日葵」。「そこにでてくる掬水月の駒はありますか」1か月に一度くらい聞かれる質問です。小説ですから、架空のものです。丹念に取材されると言われている著者は駒の製作者も調べられたと思います。名前も似ているように、盛り上げ駒の掬水さんの駒がモデルではないでしょうかと答えております。